ヴェネチアン・グラス美術館

Venetian Glass Museum

木の橋を渡って歩み入れば、そこはアドリア海の王女と謳われた往時のヴェネチア。
15世紀から18世紀にかけてヨーロッパ貴族を熱狂させたヴェネチアン・グラスは、
まさに卓越した技を尽くした美の極みです。
繊細優美な輝きを、心ゆくまでお楽しみください。

マーブル・グラス・デカンター

16~17世紀|ヴェネチア
宙吹き、マーブル・グラス口・脚台金具付
高20.6cm 幅11.3cm
15世紀末から17世紀にかけてヴェネチアで作り出されたマープル・グラスは、色彩が微妙に変化する美しさが注目されて、ヴェネチアン・マーブル・グラスとして、一段と高価で販売された。
この色調は、銀イオンの熱による変化によって生ずる一種の耀変ガラスであり、実際に原料代も高く、制作にも特別な仕様が必要であった。
とくにヴェネチアのガラス工房では、この種のガラスをカルセドーニオ(紅玉髄)と称して、極めて高い評価を与えている。主として酒器や食器に使われている。
なお、このガラスは光を透過すると美しい夕日のような赤色を発色することも人気の一端を荷っている。

カルセドーニオ

光をあてると美しい夕日のような赤色に染まるカルセドーニオ。

それは光を通す石であり、大理石模様に輝くガラスなのです。ルネサンス期には、上流階級のあいだで美しい模様の天然玉、石の収集が流行しました。そこでガラス職人たちは、自分たちの手で石の持つ美しさを再現できないかと高度な製造技術を駆使し、ヴェネチアでついにその完成をみたのです。
茶・青・緑・黄など数種類の色ガラスの細片を熔かした、偶然が織りなす幻想的な模様は当時の人々にとって羨望の的でした。
季節・企画展により展示作品・館内レイアウトが変わる場合がございます。

ページトップ