2021年クリスマス企画展
ヴェネチアン・グラスで巡るクリスマス展

 ~クリスマスに込められた感謝の祈り~
 
ガラスの人形プレゼピオなどクリスマスにちなんだヴェネチアン・グラスを展示いたします。

会期:2021年12月1日(水)から12月26日(日)まで

クリスマスが近づくと、ツリーに天使などの装飾が飾られ、街中が煌びやかな雰囲気に包まれます。私達がよく目にするクリスマスの装飾にはそれぞれ「感謝の祈り」が込められており、その意味を大切にしてきたイタリアの人々のクリスマスの習慣や思いは、ヴェネチアン・グラスの中にも多く読み取ることができます。
イタリアの人々は、クリスマスを1年の中でも特別な日として大切な家族と一緒に過ごします。イエス・キリストの誕生場面を再現した人形「プレゼピオ」を飾り、ミサに参列してキリストへの感謝を祈り、ミサの後には家族みんなで食卓を囲みながら団らんをして過ごします。大切な人と一緒にクリスマスを過ごす文化から、イタリアの人々がクリスマスに込める特別な思いが伝わってきます。
今回の展覧会では、イタリアのクリスマスをヴェネチアン・グラスで巡りながら「祈りの聖地」をテーマに活動している写真家、中野 晴生氏の作品と合わせて、クリスマスに込められた感謝の祈りをご紹介します。

第1章「イエス・キリストの誕生を祝うクリスマス」

松笠形ランプ(17世紀|ヴェネチア)

松笠形ランプ(17世紀|ヴェネチア)

クリスマスは「キリストが生まれてきたことをお祝いする日」です。それは、今からおよそ2000年前のベツレヘムの馬小屋でのことでした。全ての人々に幸せを運ぶ子が生まれたと、天使のお告げや星の輝きによって導かれたものたちが、神様の子であるキリストのもとに訪れて贈り物を捧げました。
イタリアではクリスマスが近づくと、「プレゼピオ」と呼ばれるキリストの生誕場面を再現した人形を飾る習慣があります。教会だけでなく、それぞれの家庭でも飾られるプレゼピオには、この世に生まれてきてくれたキリストへの感謝の祈りが込められています。
また、ヴェネチアン・グラスにはクリスマスのモチーフを表現した作品が数多くあります。それらのモチーフは、キリスト誕生の物語に深く関わりを持っており、今やクリスマスにおいて欠かせない装飾となっています。
プレゼピオ(20世紀|ヴェネチア)

プレゼピオ(20世紀|ヴェネチア)

 

第2章「家族と過ごすクリスマス」

イタリアのクリスマスは、家族そろって教会のミサへ参列し、聖書の朗読や讃美歌を歌い、厳かな雰囲気の中でキリストの誕生を祝い、祈りを捧げます。
ミサが終わると、家族や親せきがテーブルを囲み食事をしながら楽しく過ごします。食文化の豊かなイタリアでは、その土地土地の食材を活かした伝統料理が作られ、前菜、メイン料理、デザートまでマンマ(お母さん)が腕をふるったごちそうを家族みんなでお腹いっぱいになるまで食べます。クリスマスの食卓には、大切な時を一緒に過ごす家族への日頃の感謝が込められており、「Natale con i tuoi e Pasqua con chi vuoi」(クリスマスは家族と、復活祭は恋人と)ということわざがあるほど、イタリアでは家族と過ごすクリスマスを特別な日として大切にしているのです。

レース・グラス大皿

(17世紀|ヴェネチア)

ダイヤモンド・ポイント彫りレース坏

(16世紀)
 

第3章「聖ニコラウスとクリスマス」

バーリの聖ニコラウス文聖水瓶(16世紀|ヴェネチア)

バーリの聖ニコラウス文聖水瓶(16世紀|ヴェネチア)

サンタクロースのモデルは、4世紀にミュラ(トルコ南部)でキリスト教の司教を務めていた聖ニコラウスという人物です。彼は、貧しい人々や子どもたちを助けたり、夜にプレゼントを贈ったという逸話から、子どもたちの守護聖人とされ、現代に受け継がれるサンタクロースのキャラクターが作り上げられました。サンタクロースの服の色は、彼が着ていた赤色の司教服に由来しています。
また、聖ニコラウスは嵐の夜に船乗り達を助けた逸話もあり、海上貿易で栄えたヴェネチアでも厚く信仰されました。ヴェネチアン・グラスにも、彼を描いたガラス器や身に着けていたものを保管するための聖遺物入れが制作されていることから、聖ニコラウスが自分たちを守り続けてくれているという人々の感謝の思いが伝わってきます。

エナメル彩ワイングラス

(19世紀|ヴェネチア)

ドルフィン形脚ワイングラス

(20世紀|ヴェネチア)

特別展示「聖地で祈る人々」

ミサの起源は、キリストが弟子たちにパンと葡萄酒を分け与えた「最後の晩餐」です。パンはキリストの体、葡萄酒は血を表し、それらを与えることでキリストとの繋がりを示しました。司祭からパンを受け取り、日々健やかにあることに感謝する儀礼を今でもミサという形で受け継がれています。
クリスマス(christmas)という言葉は、「キリストのミサ」(Christ:キリスト、mas:ミサ)を表し、ミサはクリスマスにとっても欠かせない儀礼の1つです。
ヴェネチアン・グラスで制作されたミサで使用される聖具と共に、キリストの墓があるとされるエルサレムの聖墳墓教会で行われる神聖なミサで祈る人々の姿を「祈りの聖地」をテーマに活動する写真家、中野 晴生氏の写真と共にご紹介します。
アンポリ―ナ

アンポリ―ナ

(16世紀末-17世紀初|ヴェネチア)
聖骨容器形聖餐坏

聖骨容器形聖餐坏

(18世紀|ヴェネチア)
中野 晴生撮影 「聖墳墓教会 祈りの人々」
中野 晴生
Nakano Haruo

三重県伊勢市生まれ。
実家は伊勢の神宮に神饌を納める鮮魚商で、神苑の中で幼少期を過ごす。
大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ大阪校)卒業後、5年間に渡る海外取材でアフリカ、ヨーロッパ、南アメリカ、51か国巡り、独自の写真観を樹立し帰国。

週刊新潮で「日本の旧家」「湖沼の伝説」「一宮巡礼」を大型カメラにて6年間連載(毎週カラー3ページ)。
「水と人との交差点」(月刊フロント)で連載。
デアゴスティーニ「日本の神社」にて、全国の神社を巡回。

第六十二回神宮式年遷宮(伊勢神宮)・平成の大遷宮(出雲大社)の記録撮影。
2001年~2013年、毎年1ヶ月、聖書考古学発掘調査隊に同行、イスラエルでの遺跡、遺物の記録撮影にも携わる。

35㎜のデジタルカメラと、銀塩フイルム使用の大型8×10カメラを基本機材として、「祈りの聖地・祈りの人々」をライフワークに、国内外で取材活動を続けている。
日本写真家協会会員。
 

※出品作品は変更の可能性がございます。

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