─ヴェネチア ガラス彫刻にふれる秋─

所蔵作品展:ヴェネチアン・グラスの四季
ヴェネチアン・グラスが工芸作品から芸術作品になる礎を築いた20世紀の作品を中心に展示します。
 

会期:2022年9月10日(土)から10月30日(日)まで

はじめに

繊細優美なガラス工芸を次々と生み出し、永きに渡りガラス工芸史をリードしてきたヴェネチアン・グラス。ヴェネチアでは、10世紀以降ワイングラスやコンポートといったテーブルウェアやランプなどを中心に制作してきましたが、20世紀に入るとアート作品を制作する動きが始まります。秋の所蔵作品展では、芸術作品を制作する礎となった20世紀の作品を展示します。フルヴィオ・ビアンコーニがデザインした斬新なヴェネチアン・グラスをはじめ、エジディオ・コスタンティーニがジャン・コクトー、パブロ・ピカソといった、芸術家たちのデザインを基に制作したガラス彫刻を紹介いたします。箱根ガラスの森美術館の美しい秋の景色とともにガラス芸術作品をご鑑賞ください。

ガラスデザイナーの登場

貴婦人形花器 1950年頃|ヴェネチア|チェネデーゼ工房 F.ビアンコーニ デザイン

貴婦人形花器 1950年頃|ヴェネチア|チェネデーゼ工房 F.ビアンコーニ デザイン

ヴェネチアのムラーノ島では、古くからマエストロと呼ばれる親方と数人の助手によってガラス制作を行います。マエストロが中心となって作品の構想を練り、多彩な技法を駆使し、1つの作品を作り上げてきました。
しかし、1920年代からデザイナーが制作に加わり、ヴェネチアン・グラスのデザインを担うようになると、伝統的な技法を用いながらも、それまでにない斬新な作品が作られるようになりました。ここでは、フルヴィオ・ビアンコーニやエルコレ・バロヴィエールなどがデザイナーとして制作に携わった新たなスタイルで作られた作品を展示します。
FAZZOLETTO(ハンカチ)

FAZZOLETTO(ハンカチ)

1950年頃|ヴェネチア|ヴェニーニ工房 F.ビアンコーニ デザイン
TESSERE AMBRA(琥珀を織る)

TESSERE AMBRA(琥珀を織る)

1962年|ヴェネチア|E.バロヴィエール作

ガラス芸術に向かう自由な発想

デザイナーが加わったことが刺激となり、ガラス職人たちも徐々に伝統に固執しない自由な発想で作品の制作に挑戦し始めます。加えて大きなきっかけとなったのは、1950年代にエジディオ・コスタンティーニが始めた新たな試みでした。コスタンティーニは世界で活躍する画家や彫刻家など現代アーティストの巨匠に、ヴェネチアン・グラスでガラス彫刻を作ることを提案します。著名なアーティストは、想像力豊かな各々のデザインを持ち込み、ヴェネチアのガラス職人たちは見事にその期待に応え、ガラス彫刻を作り出しました。ここではP.ピカソやJ.コクトーのデザインを基に作られたガラス彫刻作品や、それに刺激を受けたヴェネチアのガラス職人たちが作り出した現代ガラス・アート作品を展示します。

LUNE(月)

LUNE(月)

1960年|ヴェネチア
E.コスタンティーニ作 J.コクトー デザイン
TORO(雄牛)

TORO(雄牛)

1954年|ヴェネチア
E.コスタンティーニ作 P.ピカソ デザイン
鳥

1961年|ヴェネチア
ヴィストージ工房 A.ピアノン デザイン
AUTUNNO(秋)

AUTUNNO(秋)

1996年|ヴェネチア
リノ・タリアピエトラ作
本展覧会は、文化庁 ARTS for the future!2(コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業)の補助対象事業です。

※開催期間、出品作品等が変更される場合がございます。

 

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