現代ガラス美術館

Modern Glass Museum

19世紀後半に再び復活し、新しい生命を吹き込まれた
斬新な現代ヴェネチアン・グラス。
ガラスの無限の可能性をご覧いただけます。

エジディオ・コスタンチーニ

Egidio Costantini (1912年〜2007年)
従来の伝統とはまったく異なり、ヴェネチアのガラス職人と20世紀最大の芸術家たちとの共同制作により、
新しいガラス芸術を誕生させたエジディオ・コスタンチーニ。
画家・彫刻家・造形家・建築家・詩人などによって描かれた自由な発想のデザインは、
ムラノ島屈指の名ガラス職人の手によって、ガラス彫刻として完成されました。
15世紀、ヴェネチアン・グラスはそのため息が出るほどの美しさでヨーロッパ王侯貴族を魅了し、栄光を誇りました。20世紀に入り、第一次、第二次世界大戦の影響により、ヴェネチアのガラス工房は大きな打撃を受けます。また、高度な技術を継承しながらも、その造形表現に行き詰まるという停滞状態にありました。
しかしながら、一人の人物を中心としたある活動により、ヴェネチアン・グラスは見事に蘇ります。それは、従来の伝統とはまったく異なり、ヴェネチアのガラス職人と20世紀最大の芸術家たちとの共同制作により、新しいガラス芸術を誕生させるという革新的な試みでした。
ヴェネチアのガラス彫刻クリエイターであるエジディオ・コスタンチーニ(Egidio Costantini 1912〜2007)は、世界中のあらゆる分野にわたる芸術家をこの地に呼び集めました。画家、彫刻家、造形家、建築家、詩人などによって描かれた自由な発想のデザインは、コスタンチーニの監督のもと、ムラノ島屈指の名ガラス職人の手によって、ガラス彫刻として完成されました。ガラス素材はあらゆる制約から解放されて、表現の幅を大きく広げ、シンプルな造形と抑圧された色使いを特徴とした多くの作品が制作されました。
伝統的なヴェネチアン・グラスから造形芸術としてのヴェネチアン・グラスへ—、ガラス芸術に吹き込まれた新風は今日も世界の現代ガラス界に息づいています。
雄牛

雄牛

1954年|ヴェネチア
パブロ・ピカソ、エジディオ・コスタンチーニ作
ピカソはコスタンチーニの工房を訪ねて、自分のデッサンに基づいて制作された作品「おどけたふくろう」を抱いて、ご満悦の写真を撮っている。
何事にも好奇心の旺盛だったピカソは、ガラスという扱い難い素材にも関心を示し、十数点のガラス作品の制作を、E・コンスタンチーニと共作している。この「雄牛」は、その初期の作品で、闘牛の雄牛をイメージして制作した作品である。
農夫

農夫

1954年|ヴェネチア
マルク・シャガール、エジディオ・コスタンチーニ作
エジディオ・コスタンチーニが、1950年代中頃より、ヨーロッパの巨匠たちに呼びかけて、ガラス彫刻の製作を行ったシリーズの1点で、マルク・シャガールのデッサンに基づいて製作された「風景」シリーズのうちの「農夫」である。
シャガールのデッサンに基づいて、コスタンチーニが、製作技法や色彩にどの色のガラスを使用するか等を決めて共同制作した作品で、シャガールの絵画的特質を生かした透明感のあるガラス作品として制作されている。
デザインに基づいて、鋳型を作り、その上に色ガラスパウダーで着彩して、熔解ガラスを流し込むという技法によって、レリーフ平板状の作品として完成させている。
また、サインには、この企画を推進したFucina degli Angeli画廊のサインと、E・コスタンチーニのサインが入れられているのが、マルク・シャガールのサインはない。
月

1960年|ヴェネチア
ジャン・コクトー、エジディオ・コスタンチーニ作
ジャン・コクトーは、エジディオ・コスタンチーニの巨匠によるガラス彫刻シリーズの企画にもっとも積極的に賛同した作家の一人で「Fucina degli Angeli」という画廊の名称も、コクトーが名命した。
この作品は、三つの顔をもつ「月」シリーズの一点で、コクトーが立合って製作した作品である。作品には、画廊名と製作日、エジディオ・コスタンチーニのサインが入れられている。
季節・企画展により展示作品・館内レイアウトが変わる場合がございます。

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