

展示ケースに掲示されている番号に合わせてご視聴ください。
美術館内ではイヤホン等を使用するか、ボリュームを下げてご利用ください。
FREE Wi-Fiをご利用ください。 SSID:Venetian_Glass_Museum
はじめに



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はじめに

1.ムッリーネ標本箱 1995-2021

(2021年 潮工房/江波冨士子)
およそ400個のムッリーネと呼ばれるモザイク・グラス片を収めた、ガラス作家・江波富士子による作品です。まず、一片のモザイク・グラス片を制作するためには、色ガラスを組み合わせて、断面が鳥や草花の模様になるように、ガラスの塊を作ることから始まります。次にガラスの塊を、5ミリ角から7ミリ角程になるまで引き延ばして、ガラス棒にします。ガラス棒が冷めないうちに480度の窯に入れ、ゆっくり冷まして歪みを取ります。その後、裁断機でガラス棒をカットしていくと、まるで金太郎飴のような模様の入ったモザイク・グラス片が沢山出来上がるのです。
このようなモザイク・グラス片は、紀元前後の古代エジプトや地中海沿岸域でも制作され、ガラス器やアクセサリーの一部として組み込まれて使用されました。しかしその後一度失われ、19世紀のヴェネチアで復活することになります。
この標本箱に収められているのは、鳥や草花から野菜や干支に至るまで、日本の四季を感じさせるような愛らしいムッリーネです。皆さんもお気に入りのムッリーネを探してみては如何でしょうか。
1.ムッリーネ標本箱 1995-2021

(2021年 潮工房/江波冨士子)
およそ400個のムッリーネと呼ばれるモザイク・グラス片を収めた、ガラス作家・江波富士子による作品です。まず、一片のモザイク・グラス片を制作するためには、色ガラスを組み合わせて、断面が鳥や草花の模様になるように、ガラスの塊を作ることから始まります。次にガラスの塊を、5ミリ角から7ミリ角程になるまで引き延ばして、ガラス棒にします。ガラス棒が冷めないうちに480度の窯に入れ、ゆっくり冷まして歪みを取ります。その後、裁断機でガラス棒をカットしていくと、まるで金太郎飴のような模様の入ったモザイク・グラス片が沢山出来上がるのです。
このようなモザイク・グラス片は、紀元前後の古代エジプトや地中海沿岸域でも制作され、ガラス器やアクセサリーの一部として組み込まれて使用されました。しかしその後一度失われ、19世紀のヴェネチアで復活することになります。
この標本箱に収められているのは、鳥や草花から野菜や干支に至るまで、日本の四季を感じさせるような愛らしいムッリーネです。皆さんもお気に入りのムッリーネを探してみては如何でしょうか。
2.AUTUNNO

(1996年│ヴェネチア│リノ・タリアピエトラ)
作品名のアウトゥンノとはイタリア語で秋を意味し、晩秋を思わせる落ち着いた色彩がとても美しい作品です。高さ50㎝程の大型の作品のため、太さのあるレース・グラス棒を用いて制作されています。このような太いガラス棒を何本も熔着して器に仕上げるには、卓越した技術を必要としますが、この一糸乱れぬ模様がリノ・タリアピエトラの技術力の高さを物語っています。
現代ガラスの巨匠であるリノ・タリアピエトラは、10代の頃から熟練したガラス職人たちのもとで徹底的に技術を磨きました。そしてヴェネチアン・グラスのマエストロとして活躍するなか、アメリカのガラス教育活動への参加が大きな転機となりました。ヴェネチア在住以外の人に技術を教える経験や、伝統にとらわれない自由な発想の海外のガラス作家との交流が彼の創作意欲をかきたて、50代から本格的にガラス作家としての活動を始めます。80歳を過ぎた今も、職人として、芸術家として2つの側面を持つタリアピエトラは世界各地へと赴き、訪れた都市や伝統文化、そして自然から得たインスピレーションを高い技術力で表現し続けています。
2.AUTUNNO

(1996年│ヴェネチア│リノ・タリアピエトラ)
作品名のアウトゥンノとはイタリア語で秋を意味し、晩秋を思わせる落ち着いた色彩がとても美しい作品です。高さ50㎝程の大型の作品のため、太さのあるレース・グラス棒を用いて制作されています。このような太いガラス棒を何本も熔着して器に仕上げるには、卓越した技術を必要としますが、この一糸乱れぬ模様がリノ・タリアピエトラの技術力の高さを物語っています。
現代ガラスの巨匠であるリノ・タリアピエトラは、10代の頃から熟練したガラス職人たちのもとで徹底的に技術を磨きました。そしてヴェネチアン・グラスのマエストロとして活躍するなか、アメリカのガラス教育活動への参加が大きな転機となりました。ヴェネチア在住以外の人に技術を教える経験や、伝統にとらわれない自由な発想の海外のガラス作家との交流が彼の創作意欲をかきたて、50代から本格的にガラス作家としての活動を始めます。80歳を過ぎた今も、職人として、芸術家として2つの側面を持つタリアピエトラは世界各地へと赴き、訪れた都市や伝統文化、そして自然から得たインスピレーションを高い技術力で表現し続けています。
3.点彩花文蓋付ゴブレット

(1500年頃|ヴェネチア)
コバルト・ブルーの素地に、点彩と金彩による文様が施された、蓋付きのゴブレットです。ビザンツ帝国にみられる脚付き坏の形と、シリアなどイスラム文化圏で用いられたガラス顔料によるエナメル彩技法が取り入れられています。地中海貿易で隆盛を極めたヴェネチア共和国と、その周辺国との交流を象徴する作品の一つと言えます。
元々こちらは、イタリア貴族のコレクションの一つでしたが、その後、ドイツの銀行家、ロスチャイルド家に伝えられました。
濃紺のガラスに、エナメル彩、金彩の装飾が施され、どっしりとした重厚な作りの器に見えませんか。しかしそんな視覚効果による見た目とは違い、坏の部分は吹きガラス技法で薄く膨らませて制作されています。まるで羽根のように軽いと表現される、ヴェネチアン・グラスの特徴を備えた作品です。
3.点彩花文蓋付ゴブレット

(1500年頃|ヴェネチア)
コバルト・ブルーの素地に、点彩と金彩による文様が施された、蓋付きのゴブレットです。ビザンツ帝国にみられる脚付き坏の形と、シリアなどイスラム文化圏で用いられたガラス顔料によるエナメル彩技法が取り入れられています。地中海貿易で隆盛を極めたヴェネチア共和国と、その周辺国との交流を象徴する作品の一つと言えます。
元々こちらは、イタリア貴族のコレクションの一つでしたが、その後、ドイツの銀行家、ロスチャイルド家に伝えられました。
濃紺のガラスに、エナメル彩、金彩の装飾が施され、どっしりとした重厚な作りの器に見えませんか。しかしそんな視覚効果による見た目とは違い、坏の部分は吹きガラス技法で薄く膨らませて制作されています。まるで羽根のように軽いと表現される、ヴェネチアン・グラスの特徴を備えた作品です。
4.人物行列文壺

(1500年頃|ヴェネチア)
この作品には、白馬に乗った小天使や笛を吹く子どもたちとともに、ルネサンス期の衣装に身を包んだ人々の屋外を歩く姿がエナメル彩で描かれています。
16世紀、ヴェネチアではヴェネチア派と呼ばれる画家たちにより、色彩豊かで情感あふれる肖像画や寓意画が描かれていました。彼らの目覚ましい活躍は、ガラスに模様を描くエナメル彩にも大きな影響を与え、ガラスをキャンバスに見立て、絵画的な絵付けが施されるようになったのです。例えば、婚礼用の長持や坏の多くに、愛の女神や勝利の女神に引き連れられた行進の様子が表されました。しかし、このようなガラス壺に描くことは稀で、貴重な作品の一つとなっています。
両手のひらで包み込んでしまえるほどの小さなガラス壺に表された34人の男女は、その一人一人が表情豊か。耳を澄ますと遥かな時代をさかのぼって、人々のざわめきが聞こえてくるような気がします。
4.人物行列文壺

(1500年頃|ヴェネチア)
この作品には、白馬に乗った小天使や笛を吹く子どもたちとともに、ルネサンス期の衣装に身を包んだ人々の屋外を歩く姿がエナメル彩で描かれています。
16世紀、ヴェネチアではヴェネチア派と呼ばれる画家たちにより、色彩豊かで情感あふれる肖像画や寓意画が描かれていました。彼らの目覚ましい活躍は、ガラスに模様を描くエナメル彩にも大きな影響を与え、ガラスをキャンバスに見立て、絵画的な絵付けが施されるようになったのです。例えば、婚礼用の長持や坏の多くに、愛の女神や勝利の女神に引き連れられた行進の様子が表されました。しかし、このようなガラス壺に描くことは稀で、貴重な作品の一つとなっています。
両手のひらで包み込んでしまえるほどの小さなガラス壺に表された34人の男女は、その一人一人が表情豊か。耳を澄ますと遥かな時代をさかのぼって、人々のざわめきが聞こえてくるような気がします。
5.メディチ家紋章文コンポート

(16世紀初|ヴェネチア)
作品の中央をご覧ください。エナメル彩を用い、黄色い盾、その中に丸薬を示す赤い玉が5つ描かれています。これは15世紀後半、イタリア・ルネサンス期に芸術文化の発展に絶大な力を発揮したメディチ家の紋章です。また紋章の上部には、ローマ・カトリック教会の最高首長であるローマ教皇の三層宝冠が組み合わされています。
当時、フィレンツェの市政の実権を握っていたメディチ家は、レオ10世とクレメンス7世の2人のローマ教皇を輩出しました。この教皇就任には、有力な市民の立場から成長してきたメディチ家にとって、他の王侯貴族たちと肩を並べるほどイタリア最大の権力者になったことを示す、極めて重要な意味がありました。
この作品はその就任を記念して作られ、特定の人に配られたコンポートと伝わります。当時、ヴェネチアン・グラスは客人をもてなす祝宴を華やかに演出する器として、また結婚や就任などの記念の品として用いられていました。こうした名門貴族の紋章を入れた器は、ヴェネチアン・グラスが高く評価されていたことを物語っています。
5.メディチ家紋章文コンポート

(16世紀初|ヴェネチア)
作品の中央をご覧ください。エナメル彩を用い、黄色い盾、その中に丸薬を示す赤い玉が5つ描かれています。これは15世紀後半、イタリア・ルネサンス期に芸術文化の発展に絶大な力を発揮したメディチ家の紋章です。また紋章の上部には、ローマ・カトリック教会の最高首長であるローマ教皇の三層宝冠が組み合わされています。
当時、フィレンツェの市政の実権を握っていたメディチ家は、レオ10世とクレメンス7世の2人のローマ教皇を輩出しました。この教皇就任には、有力な市民の立場から成長してきたメディチ家にとって、他の王侯貴族たちと肩を並べるほどイタリア最大の権力者になったことを示す、極めて重要な意味がありました。
この作品はその就任を記念して作られ、特定の人に配られたコンポートと伝わります。当時、ヴェネチアン・グラスは客人をもてなす祝宴を華やかに演出する器として、また結婚や就任などの記念の品として用いられていました。こうした名門貴族の紋章を入れた器は、ヴェネチアン・グラスが高く評価されていたことを物語っています。
6.ダイヤモンド・ポイント彫り ヴァンジェリスティ家紋章文コンポート

(16世紀末~17世紀初|ヴェネチア)
こちらは、可憐で繊細な草花模様が表現された、広がりのあるコンポートです。中心に施された、透明感のある青色ガラスが、丁寧に線刻された模様の美しさをより引き立て、ロマンチックで清楚な印象を与えています。コンポートの上部に注目すると、イタリア、ヴェローナのヴァンジェリスティ家の家紋も彫刻されています。
ダイヤモンド・ポイント彫りは、先端にダイヤモンドをつけたペン状の道具で、ガラスの表面に細かい線や点で模様を彫刻する技法です。16世紀に人気を博した、繊細なレース編みの美しさをガラスに表現する方法として、ヴェネチアで本格的に発展しました。はっきりと模様を出すためには、何度も細い線を彫り込む必要があり、この作品のように極限まで薄く吹いた器に彫刻を施すことは大変難しく、熟練した職人の技が求められます。
6.ダイヤモンド・ポイント彫り ヴァンジェリスティ家紋章文コンポート

(16世紀末~17世紀初|ヴェネチア)
こちらは、可憐で繊細な草花模様が表現された、広がりのあるコンポートです。中心に施された、透明感のある青色ガラスが、丁寧に線刻された模様の美しさをより引き立て、ロマンチックで清楚な印象を与えています。コンポートの上部に注目すると、イタリア、ヴェローナのヴァンジェリスティ家の家紋も彫刻されています。
ダイヤモンド・ポイント彫りは、先端にダイヤモンドをつけたペン状の道具で、ガラスの表面に細かい線や点で模様を彫刻する技法です。16世紀に人気を博した、繊細なレース編みの美しさをガラスに表現する方法として、ヴェネチアで本格的に発展しました。はっきりと模様を出すためには、何度も細い線を彫り込む必要があり、この作品のように極限まで薄く吹いた器に彫刻を施すことは大変難しく、熟練した職人の技が求められます。
7.ミルフィオリ・グラス花器

(1890~1910年頃|ヴェネチア)
古代ローマ時代の遺跡の発見は、18世紀のヨーロッパにおいて、人々の歴史への関心を高めました。遺跡から発掘されたモザイク・グラスは、19世紀に入り、ガラス職人の手によって、その後のヴェネチアン・グラスを代表する技法へと進化しました。
色ガラス棒を組み合わせて作るモザイク・グラスは、3万色とも言われるヴェネチアン・グラスの色のバリエーションを駆使し、人物画や風景画など、絵画的な表現までも可能にしました。展示している花器の長く伸ばされた首の部分をご覧ください。宙吹き技法により、絵柄が上下に伸びているのがご覧いただけるでしょうか。
古代ローマでは、モザイク・グラスは装飾タイルや小皿など限られた用途で使われていました。それがヴェネチアの職人たちが得意とする吹きガラス技法と融合し、新たな表現が生まれたのです。断面が花文様になるように作ったモザイク・グラスは、あたかもガラスの器にたくさんの花が咲いたかのように見えるところから、イタリア語で千の花を意味する「ミルフィオリ・グラス」と呼ばれています。
7.ミルフィオリ・グラス花器

(1890~1910年頃|ヴェネチア)
古代ローマ時代の遺跡の発見は、18世紀のヨーロッパにおいて、人々の歴史への関心を高めました。遺跡から発掘されたモザイク・グラスは、19世紀に入り、ガラス職人の手によって、その後のヴェネチアン・グラスを代表する技法へと進化しました。
色ガラス棒を組み合わせて作るモザイク・グラスは、3万色とも言われるヴェネチアン・グラスの色のバリエーションを駆使し、人物画や風景画など、絵画的な表現までも可能にしました。展示している花器の長く伸ばされた首の部分をご覧ください。宙吹き技法により、絵柄が上下に伸びているのがご覧いただけるでしょうか。
古代ローマでは、モザイク・グラスは装飾タイルや小皿など限られた用途で使われていました。それがヴェネチアの職人たちが得意とする吹きガラス技法と融合し、新たな表現が生まれたのです。断面が花文様になるように作ったモザイク・グラスは、あたかもガラスの器にたくさんの花が咲いたかのように見えるところから、イタリア語で千の花を意味する「ミルフィオリ・グラス」と呼ばれています。
8.レース・グラス蓋付ゴブレット

(16世紀末~17世紀初|ヴェネチア)
16世紀初頭に発明されたレース・グラスは、その繊細優美な姿からガラスの貴婦人と称えられ、ヴェネチアン・グラスの代名詞となっています。
今もレース編みの島として知られるヴェネチアのブラーノ島では、15世紀から糸で編んだ繊細なレースが作られてきました。ヨーロッパ中の貴族たちの襟元や袖口を飾る美しいレースを見たヴェネチアのガラス職人たちは、その模様を表現するために試行錯誤を重ねます。そして16世紀初頭、乳白色と透明なガラスを捻り合わせたガラス棒を用いたレース・グラスの制作に成功します。
この蓋付ゴブレットは、らせん状のレース模様から、イタリア語で「レトルティ」と呼ばれるレース・グラスです。以後、ヴェネチア伝統の吹きガラス技法と、ガラス棒の組み合わせ方によって、多様な形と模様のレース・グラスが制作されます。これらのレース・グラスは、ヨーロッパの王侯貴族のみならず、日本にももたらされ、北条氏などの戦国大名をも魅了しました。
8.レース・グラス蓋付ゴブレット

(16世紀末~17世紀初|ヴェネチア)
16世紀初頭に発明されたレース・グラスは、その繊細優美な姿からガラスの貴婦人と称えられ、ヴェネチアン・グラスの代名詞となっています。
今もレース編みの島として知られるヴェネチアのブラーノ島では、15世紀から糸で編んだ繊細なレースが作られてきました。ヨーロッパ中の貴族たちの襟元や袖口を飾る美しいレースを見たヴェネチアのガラス職人たちは、その模様を表現するために試行錯誤を重ねます。そして16世紀初頭、乳白色と透明なガラスを捻り合わせたガラス棒を用いたレース・グラスの制作に成功します。
この蓋付ゴブレットは、らせん状のレース模様から、イタリア語で「レトルティ」と呼ばれるレース・グラスです。以後、ヴェネチア伝統の吹きガラス技法と、ガラス棒の組み合わせ方によって、多様な形と模様のレース・グラスが制作されます。これらのレース・グラスは、ヨーロッパの王侯貴族のみならず、日本にももたらされ、北条氏などの戦国大名をも魅了しました。
9.レース・グラス蓋付容器

(16世紀初|ヴェネチア)
蓋付容器の全体に施されている格子模様をご覧ください。この格子模様は、イタリア語で「レティチェッロ」と呼ばれ、レース・グラスの中でも最も表現が難しいものです。表面の格子模様は、らせん模様の入ったガラスの筒を2つ重ね合わせることで制作されています。しかし、らせん模様を作る際に、一定の強さでガラスを回転させなければ模様の間隔が均等にならず、2つのガラスの筒を重ね合わせた際に美しい格子模様が生まれません。そのため、高度な職人技が要求される技法です。
この作品は「カネヴェッタ」と呼ばれ、器の中に氷を敷き詰め、小型のワインボトルを冷やすために使われたと考えられています。ヴェネチアの熟練した職人の技術と、バロック時代初期の貴族たちの需要に応じて誕生し、祝宴を彩った作品の1つです。
9.レース・グラス蓋付容器

(16世紀初|ヴェネチア)
蓋付容器の全体に施されている格子模様をご覧ください。この格子模様は、イタリア語で「レティチェッロ」と呼ばれ、レース・グラスの中でも最も表現が難しいものです。表面の格子模様は、らせん模様の入ったガラスの筒を2つ重ね合わせることで制作されています。しかし、らせん模様を作る際に、一定の強さでガラスを回転させなければ模様の間隔が均等にならず、2つのガラスの筒を重ね合わせた際に美しい格子模様が生まれません。そのため、高度な職人技が要求される技法です。
この作品は「カネヴェッタ」と呼ばれ、器の中に氷を敷き詰め、小型のワインボトルを冷やすために使われたと考えられています。ヴェネチアの熟練した職人の技術と、バロック時代初期の貴族たちの需要に応じて誕生し、祝宴を彩った作品の1つです。
10.レース・グラス角型酒器

(17世紀|ヴェネチア又はファソン・ド・ヴェニス)
1本線と網目模様の2種類のレース・ガラス棒を使用して制作された角形の酒器です。口にはねじ回し式の栓がつけられ、しっかりと中身がこぼれないようになっています。上部に紐を通せるような飾りが施されている点を合わせると、ワインなどを入れる携帯用のボトルで、野外の宴などで使用したのではないかと考えられています。
このような角形の酒器は、古代ローマ時代に作られていたリュトンと呼ばれる、鹿や山羊などの角を象った器が原点です。古代の人々は、動物の角には神聖な力が宿ると考えており、酒器として酒宴や儀式で古くから用いられてきました。
10.レース・グラス角型酒器

(17世紀|ヴェネチア又はファソン・ド・ヴェニス)
1本線と網目模様の2種類のレース・ガラス棒を使用して制作された角形の酒器です。口にはねじ回し式の栓がつけられ、しっかりと中身がこぼれないようになっています。上部に紐を通せるような飾りが施されている点を合わせると、ワインなどを入れる携帯用のボトルで、野外の宴などで使用したのではないかと考えられています。
このような角形の酒器は、古代ローマ時代に作られていたリュトンと呼ばれる、鹿や山羊などの角を象った器が原点です。古代の人々は、動物の角には神聖な力が宿ると考えており、酒器として酒宴や儀式で古くから用いられてきました。
11.FAZZOLETTO(ハンカチ)
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(1950年頃|ヴェネチア)
こちらは、ヴェネチアのヴェニーニ社を代表する作品シリーズの1つで、造形作家、フルビオ・ビアンコーニがデザインした作品です。ヴェネチア伝統のレース・グラス技法が用いられ、全体的にふんわりと丸みを帯びた形が優しい印象を与えており、ハンカチの柔らかさをガラスで見事に表現しています。
この形は、熱を帯びたガラスの柔軟性を利用し、遠心力と重力によって作られています。まずレース・グラス棒を並べて熔着し、それを鉄パイプで円筒形に巻いたものを十分に加熱、そして遠心力を用いてガラスを円盤状に広げます。その円盤を下に向けると自重で垂れ下がり、この作品のような形が自然に作られていきます。ガラスを吹いて形を整える伝統技法とは異なった画期的な着想は、ヴェネチアン・グラスの現代的な展開として大きく評価されました。
11.FAZZOLETTO(ハンカチ)
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(1950年頃|ヴェネチア)
こちらは、ヴェネチアのヴェニーニ社を代表する作品シリーズの1つで、造形作家、フルビオ・ビアンコーニがデザインした作品です。ヴェネチア伝統のレース・グラス技法が用いられ、全体的にふんわりと丸みを帯びた形が優しい印象を与えており、ハンカチの柔らかさをガラスで見事に表現しています。
この形は、熱を帯びたガラスの柔軟性を利用し、遠心力と重力によって作られています。まずレース・グラス棒を並べて熔着し、それを鉄パイプで円筒形に巻いたものを十分に加熱、そして遠心力を用いてガラスを円盤状に広げます。その円盤を下に向けると自重で垂れ下がり、この作品のような形が自然に作られていきます。ガラスを吹いて形を整える伝統技法とは異なった画期的な着想は、ヴェネチアン・グラスの現代的な展開として大きく評価されました。
以上11作品のご紹介でした。