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展示作品の御紹介:人頭瓶

人頭瓶
(1世紀|東地中海沿岸域)

ローマ帝国領内で、ローマ時代に作られたガラス器物をローマン・グラスと呼ぶ。紀元前1世紀に、吹きガラス技法が発明されるとガラス製品の生産が容易になり、急速に各地に伝播した。この頃のガラス器の主要な用途の一つが香油瓶である。当時、香油には良い香りを身にまとい、乾燥から肌を守る他に、皮膚病や頭痛の鎮静効果もあると考えられていた。ローマ時代の香油瓶は雫形等の単純な器形から、作品のような人面形といった複雑な形も作られ、その色も黄や青、紫と多彩であった。

特別企画展:香りの装い〜香水瓶をめぐる軌跡〜
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024
開催中:2025年1月13日(祝・月)まで

展示作品の御紹介:長頸瓶

長頸瓶
(1世紀|東地中海沿岸域)

紀元前1世紀のシリアで吹きガラス技法が発明されると、高級品から日用品に至るまで、幅広い種類のガラス器を制作できるようになった。ガラス表面の玉虫色の輝きは、特定の条件がそろった際にみられる、「銀化現象」と呼ばれる長年の風化作用によるもの。

特別企画展:香りの装い〜香水瓶をめぐる軌跡〜
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024
開催中:2025年1月13日(祝・月)まで

黒絵式香油瓶
(紀元前6世紀|ギリシア)

ギリシア土器は、表面に絵付けされる形式によって、時代順に幾何学様式時代(前10~8世紀)、オリエント様式時代(前8~7世紀)、黒絵式様式時代(前6世紀)、赤絵式様式時代(前5~4世紀)などに時代区分されている。この黒絵式香油瓶は、茶色い土器の表面に、動物や人物文様などを黒い影絵のようなシルエットで表現した黒絵式様式時代の作品で、前6世紀のものである。雄ライオンか黒豹のような動物を表現し、鍔広の開口部と把手を付けた典型的な形式の古代ギリシアの香油瓶である。

特別企画展:香りの装い〜香水瓶をめぐる軌跡〜
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024
開催中:2025年1月13日(祝・月)まで

イオン交換彩色カット・グラス香水瓶
(1840年頃|ボヘミア)

ガラス原料の中に入っている酸化リチウムと、銅や銀のイオンとを置換して、ガラスの表面を赤や黄色に着色するハイテクニックが、19世紀前半のボヘミアで開発された。この技法は、ガラスにカットやグラヴィール彫刻を施した部分にも着色でき、着色した部分を簡単に削り取ることもできるので、カメオ・グラスのような大変に手間のかかる技法に比べると、極めて便利な着彩法であった。そのため19世紀に入ると、ボヘミアン・グラスの装飾には、このイオン交換着彩法によるものが多くなる。この香水瓶は、イオン交換によって表面に銅赤色を着色し、更にエッチングという酸腐食法によって、銅赤部分を削り落とし、草花人物文様を残して赤色の文様とした典型例である。

特別企画展:香りの装い〜香水瓶をめぐる軌跡〜
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024
開催中:2025年1月13日(祝・月)まで

モザイク・グラス香水瓶
(19世紀後半|イタリア|ヴェネチア)
花模様や人面文様などを象嵌した、いわゆるモザイク・グラスの一種で作られたヴェネチア製の香水瓶が19世紀に活躍したフランキーニ一族やモレッティ一族によって作り出された。三点の内両側二点はフランキーニの作品で、中央の人面香水瓶はモレッティの作品であろう。

特別企画展:香りの装い〜香水瓶をめぐる軌跡〜
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024
開催中:2025年1月13日(祝・月)まで

お子さま用音声ガイド

冬季休館明けの2025年1月25日から「お子さま用音声ガイド」がリニューアルされます。出演はホロライブプロダクションの博衣こより氏(子ども役)と儒烏風亭らでん氏(学芸員役)のお二人となります。

■期間:2025年1月25日(土)~7月13日(日)
■5作品 合計約14分(無料サービス)

お手持ちのスマートフォンから、QRコードを会場で読み込んでください。展示作品の解説を視聴できます。独自アプリ等のインストールは不要です。普段使用されているブラウザでご利用いただけます。
※展示会場内ではイヤホンのご使用、またはスマートフォンのボリュームを下げてご利用ください。館内ではFREE Wi-Fiをご利用ください。

・子ども役:博衣こより氏
https://www.youtube.com/@HakuiKoyori
ホロライブ所属で「秘密結社holoX」のメンバー。2025年3月に、1st Album『FIRST STEP』をリリース。自身が作詞をした曲も収録するなど、音楽活動も意欲的に行われています。

・学芸員役:儒烏風亭らでん氏
https://www.youtube.com/@JuufuuteiRaden
hololive DEV_IS所属で「ReGLOSS」のメンバー。学芸員資格を持ち、美術・工芸・写真・絵画などのお話も配信されています。

特別企画展:香りの装い〜香水瓶をめぐる軌跡〜
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024
開催中:2025年1月13日(祝・月)まで。


香りは、古来においては神への捧げものとして、また時に心身を癒し、人々を虜にする魅惑の薬として生活の中に息づいてきました。そして、その香りは時代の移り変わりとともに、宝石や白磁、ガラスなどの様々な「衣装」を身にまとった香水瓶となり、往時の栄華を今に伝えています。
本展では、3000年以上の時を超えて人と香りが歩んだ軌跡をめぐります。時代を彩る貴婦人たちが愛した香りとともに、水晶や瑪瑙などで制作された香水瓶や、神話や愛などの寓意を表現した香水瓶、新たな時代の香りのイメージを反映してデザインされた香水瓶など厳選した約80点をご紹介いたします。ぜひ、香りと人々の想いの詰まった「香りの装い」をお楽しみください。

【予告】2025年所蔵作品展「ヴェネチアン・グラスとカーニバルの世界」
会期:2025年1月25日(土)~4月13日(日)

ヴェネチアの人々が楽しんだカーニバルを4つの要素「饗宴」「観劇」「賭博」「仮装」に分け、宴を華やかに彩る装飾グラスやコンポート、今にも動き出しそうな躍動感溢れるガラスの人形などを紹介します。また、「仮装」の章では、写真家坪谷隆氏による現代のカーニバルの写真作品を展示します。ガラス職人たちの造形技術の高さが詰まったヴェネチアン・グラス作品とともに古き良き時代から現代へと続くヴェネチア・カーニバルの世界をお楽しみください。

クリスマス ギャラリートーク

クリスマス ギャラリートーク
開催日:2024年12月21日(土)・22 日(日)
時間:14:00~、15:00~(約20分、各回定員先着20名)
ヴェネチアン・グラス美術館入口に開始 5 分前にお集まりください。

学芸員が展示の見どころをご紹介します。
(参加費無料 ※別途ご入館料が必要です)

マーブル・グラス香水瓶
(1880年頃|イタリア|ヴェネチア)

イタリアのヴェネチアではいろいろな種類のガラス製香水瓶が作られたが、この色彩豊かなマーブル・グラスの香水瓶もその一例である。異なった色ガラスの断片を熔かし合わせ、よく練り合わせて文様を作り出し、その中に金粉を散らしたようなアヴェンチュリン・グラスが混入されている。アヴェンチュリン・グラスはヴェネチアで開発された特許ガラスである。

特別企画展:香りの装い〜香水瓶をめぐる軌跡〜
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024
開催中:2025年1月13日(祝・月)まで

プロフィール

箱根ガラスの森美術館
箱根ガラスの森美術館
箱根ガラスの森美術館は、緑豊かな箱根仙石原にあるヴェネチアン・グラス専門の美術館です。

〒250-0631
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
TEL:0460-86-3111
FAX:0460-86-3114

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