Blog 箱根ガラスの森美術館ブログ
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展示作品のご紹介:船形水差

船形水差
(16世紀中頃|ヴェネチア│推定:アルミニア・ヴィヴァリーニ作)
透明なガラスで制作された船形の装飾水差。古代から、天然の素材を基に作られていたガラスは、含まれている不純物による発色が原因で、決して無色透明ではなかった。ヴェネチアでは13世紀末頃にこの不純物による発色を抑えるために、消色剤として二酸化マンガンを添加して無色透明なガラスを作り出し、より芸術的な作品へと昇華させていった。この船形水差も、装飾に少量の色ガラスを使用し、透明さがより引き立つように工夫されている。船のモチーフの器は、遠方からの富を運ぶ象徴として人気があり、船形水差が生み出される以前にも、カトラリー入れなどとして貴族たちの宴席を華やかに彩っていた。
特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」
会期:2025年7月18日(金)から2026年1月12日(月・祝)
詳細:https://hakone-garasunomori.jp/event/archive/exhibition_2025/
クリスマス ギャラリートーク
展示作品のご紹介:獅子形水差

獅子形水差
(16世紀中頃|ヴェネチア)
ヴェネチアのシンボルである獅子の意匠を採って、水差形に作り上げた珍しい作品。尻尾の部分が欠損しているが、尻尾が注口部となっていた。元々金属製の脚台が付けられていたと考えられるが、こちらも今は欠損している。この作品と同形のレース・グラスの作品が、イギリスのジェームス・ロスチャイルド・コレクションに1点所蔵されている。ロスチャイルド・コレクションには、金属製の宝冠(後補)が付けられているが、この作品には、当初のままのガラス宝冠が残っている。
特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」
会期:2025年7月18日(金)から2026年1月12日(月・祝)
詳細:https://hakone-garasunomori.jp/event/archive/exhibition_2025/
展示作品のご紹介:熔着装飾香油瓶

熔着装飾香油瓶
(6~8世紀|シリア)
5世紀に西ローマ帝国が崩壊すると、東地中海のガラス製造技術の水準は徐々に低下していく。装飾の多様性が失われていくローマン・グラスの中で最も頻繁に使用された装飾が、ガラスの粘着性を利用して紐状のガラスを容器に装飾した紐装飾や熔着装飾である。ローマ帝国の支配下にあったシリアでは、水差の首やコップに紐を一重に巻いたものや、紐装飾を把手のように施した壺等が多く制作された。
特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」
会期:2025年7月18日(金)から2026年1月12日(月・祝)
詳細:https://hakone-garasunomori.jp/event/archive/exhibition_2025/
展示作品のご紹介:マーブル文長頸香油瓶

マーブル文長頸香油瓶
(1世紀|東地中海沿岸域│高砂コレクション®)
大理石や縞瑪瑙の文様をガラスで表現しようとしたものである技法は見た目より複雑で、現代でも再現するのは難しい。2色のガラスを熔かし合わせて宙吹きにより製作された。この技法は複雑であったためか、1世紀の限られた時期にのみ製作されてその後すたれてしまった。
特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」
会期:2025年7月18日(金)から2026年1月12日(月・祝)
詳細:https://hakone-garasunomori.jp/event/archive/exhibition_2025/
マガモ(オス)の構造色
当館のマガモ(オス)の頭部も、光の当たり方によって緑から紫へと変化する構造色を示します。
構造色とは、物質表面の微細な構造が光を反射することで生じる発色の仕組みです。
特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」
会期:2025年7月18日(金)から2026年1月12日(月・祝)
詳細:https://hakone-garasunomori.jp/event/archive/exhibition_2025/
展示作品のご紹介:モザイクトンボ玉

モザイクトンボ玉
(紀元前1世紀~紀元後1世紀|東地中海沿岸域)
ローマ帝国時代にモザイク・グラス技法を取り入れたことで、ビーズの世界は大きく発展した。色ガラスを駆使し、花や格子、人物の顔、鳥など様々なモチーフで、美しいビーズが次々と作り上げられてきた。このモザイク文ビーズもその一つ。色ガラスをモザイク文に組み合わせたガラス板を加熱して柔らかくし、ビーズ本体に巻き付け、形を整えて制作した作品である。
特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」
会期:2025年7月18日(金)から2026年1月12日(月・祝)
詳細:https://hakone-garasunomori.jp/event/archive/exhibition_2025/
展示作品のご紹介:花冠装飾人物文モザイク・グラス片・人物文モザイク・グラス片


花冠装飾人物文モザイク・グラス片・人物文モザイク・グラス片
(紀元前3世紀~紀元後1世紀│エジプト)
モザイク・グラスによる装飾板は、紀元前15世紀頃のメソポタミアで始まり、エジプトのアレキサンドリアなどを中心に紀元前後の帝政ローマ時代初期に発達した。
家具やビーズなどの装飾のほか、建物の壁などにも象嵌材として用いられた。モザイク・グラスは、並べた色ガラス片を加熱して接着し、細長く引き伸ばして冷やしたものを薄く切断して作る。この人面の装飾版は、顔の半分を作り、切断した2枚を線対称に併せて1つの顔に合成し使用されたと考えられている。巻き髪と葡萄の蔓と葉のような冠から、ギリシア神話の酒と豊饒の神で演劇と縁の深いディオニュソスと、ディオニュソスに従い山野を陶酔して歌い踊る狂信女マイナスがモチーフであると思われる。
特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」
会期:2025年7月18日(金)から2026年1月12日(月・祝)
詳細:https://hakone-garasunomori.jp/event/archive/exhibition_2025/
展示作品のご紹介:ミルフィオリ・パテラ形杯

ミルフィオリ・パテラ形杯
(紀元前1~紀元後1世紀|東地中海沿岸域│早稲田大学 會津八一記念博物館 小野義一郎コレクション)
花文様と二重の円文様のガラス片を組み合わせて制作したガラス杯。ガラス片は色ガラスを重ね合わせ引き伸ばしたガラス棒を切断して制作する。切断されたガラス片を杯の形の外型に敷き詰め、内型を被せて焼成される。本作のようなモザイク・グラスは、器に花が敷き詰められたような模様からイタリア語で千の花を意味する「ミルフィオリ」と呼ばれている。
特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」
会期:2025年7月18日(金)から2026年1月12日(月・祝)
詳細:https://hakone-garasunomori.jp/event/archive/exhibition_2025/
展示作品のご紹介:鋳造パテラ形杯

鋳造パテラ形杯
(紀元前1~紀元後1世紀│東地中海沿岸域│早稲田大学 會津八一記念博物館 小野義一郎コレクション)
杯全体が長年の風化作用により侵食され、光を反射、干渉する銀化現象がみられる。光を透過するとガラス本来の色である薄緑色を現す。この形状の杯は、形が似ていることから膝蓋骨を意味する「パテラ」形と呼ばれている。また本作は整った形をしており、型を用いる鋳造で成形されたと考えられる。
特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」
会期:2025年7月18日(金)から2026年1月12日(月・祝)
詳細:https://hakone-garasunomori.jp/event/archive/exhibition_2025/
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