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収蔵作品のご紹介:バーリの聖ニコラウス文聖水瓶
バーリの聖ニコラウス文聖水瓶
(16世紀│ヴェネチア)
胴部両側にガラスのリボン装飾が付けられた聖水容器。表側にはサンタクロースのモデルである聖ニコラウスが司祭服姿で描かれています。聖ニコラウスは四世紀のトルコで司教を務めていた人物で、様々な伝説が残されています。なかでも、三人の貧しい娘を身売りから救うため、お金の入った袋を窓から家に投げ入れた話は広く知られており、その慈愛に満ちた姿から、子供たちにクリスマスプレゼントを届けるサンタクロースへと変化しました。
『サンタクロース』
クリスマスの象徴として世界中の子供達に夢を与える存在、サンタクロース。
サンタクロースのモデルは、四世紀にトルコのミュラという町(現在のデムレ)で司教を務めていた聖ニコラウスという人物であるとされています。では、なぜ司教であった彼が、子供達にクリスマス・プレゼントを届ける優しいおじいさんへ姿を変えたのでしょうか。聖ニコラウスにまつわる次のような逸話が残されています。
ある時、生活のために三人の娘たちを身売りに出さなければならない家族がいる事を知ったニコラウスは、夜、その家の窓からお金の入った袋をこっそり投げ入れます。一家は、そのお金の中から持参金を出し、娘たちを結婚させてあげることができました。また、投げ入れたお金の袋が、偶然、窓際に干していた靴下に入ったことから、靴下を吊り下げてサンタクロースのプレゼントを待つようになったと言われています。
このような慈愛に満ちた姿から、聖ニコラウスは、子供の守護聖人とされ、聖ニコラウスの祝日である12月6日には、子供達へプレゼントを贈る習慣ができました。そして、17世紀初頭に新天地アメリカへ渡ったオランダ人により、その習慣も伝わり、子供達にプレゼントを届けるおじいさんが誕生しました。その際に、オランダ語で聖ニコラウスを表す「シンタークラース」がなまって、「サンタクロース」に変化したとされています。
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