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展示作品のご紹介:船形水差
2025年12月21日 日曜 09時46分

船形水差
(16世紀中頃|ヴェネチア│推定:アルミニア・ヴィヴァリーニ作)
透明なガラスで制作された船形の装飾水差。古代から、天然の素材を基に作られていたガラスは、含まれている不純物による発色が原因で、決して無色透明ではなかった。ヴェネチアでは13世紀末頃にこの不純物による発色を抑えるために、消色剤として二酸化マンガンを添加して無色透明なガラスを作り出し、より芸術的な作品へと昇華させていった。この船形水差も、装飾に少量の色ガラスを使用し、透明さがより引き立つように工夫されている。船のモチーフの器は、遠方からの富を運ぶ象徴として人気があり、船形水差が生み出される以前にも、カトラリー入れなどとして貴族たちの宴席を華やかに彩っていた。
特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」
会期:2025年7月18日(金)から2026年1月12日(月・祝)
詳細:https://hakone-garasunomori.jp/event/archive/exhibition_2025/
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